地震は身近な危険」  
    活断層による地震に比べ、海溝型地震は平均活動間隔が短く、近年に地震が発生していても、近い将来に再び地震が発生する可能性があります 。平均活動間隔が72.2 年の十勝沖は、今後30年以内にM8の地震が60%の確率で起こるとされていましたが、平成15年に実際に地震が発生。現在、M8.1前後の地震が起こる確率は0.1〜1%ですが、今後50年以内となると、確率は10〜20%に上がります。

 一方、活断層の地震は、一見確率が低いように見えますが、それは平均活動間隔が長いため 。平均約1000年の間隔で活動を繰り返す場合、700年後に次の地震が起こることもあれば、1200年後になることもあり、発生時期に大きな幅が出てきます 。また、平成7年1月に阪神・淡路大震災を引き起こした六甲・淡路島断層帯の一部について、地震直前の今後30年以内に地震が起こる確率をあとから計算したところ、0.02〜8%でした。近年の調査の結果、このような状態の活断層帯が日本に数多く存在していることが分かっています。

 これらの地震発生の確率を、ほかの事故や災害と比べてみましょう。例えば、今後30年以内に交通事故によって死亡する確率は
約0.2%という統計があります。確率としては低い数字かもしれませんが、多くの人は、日頃から事故にあわないように注意しています。地震は避けられない自然災害なので、交通事故と単純に比較はできませんが、たとえ確率が低くても「地震は身近な危険」としてとらえる姿勢が必要です
 
今後30年以内にあう自然災害や事故などの発生確率との比較  
   
内閣府 防災情報のページ
     
大地震は本当に起きるのか
日本で起こる地震には大きく2つのタイプがあります。  
①1つはプレートの動きで起きるプレート境界型地震。東日本大震災がこのタイプです。 
活断層が動き発生するタイプです。プレートが動くことにより内陸部地下に歪がたまり発生します。
断層のある場所では1000年から数万年の間隔で繰り返し発生します。阪神淡路大震災が特に大きな被害となりました。
①大地震の原因となるプレートはどうなっているのでしょうか 
  地球の表面を覆うプレートは14枚ありと言われています。うち4枚のプレートの上に日本列島は乗っていると言われています。日本列島はユーラシアプレートと北米プレート、太平洋プレート、フィリピンプレートがもぐりこむという地震多発地域にあります。 
 
   1960年から2011年にかけての日本付近で発生した地震の分布図
 
 
    H30年2月に発生確率が70~80%にアップしました
では 大阪で大震災は発生するのでしょうか
 
  南海地震は”30年以内に70~80%の確率で発生する”と言われています 
下の表をご覧ください。この表は南海トラフと言われるフィリピンプレートが日本のプレートの下に潜り込む地域での大震災の発生のサイクルです。およそ100年から150年でひずみがたまり大地震が発生しています。
最近で発生したのは69年前の南海地震です。しかし南海トラフの東の端の駿河トラフが発生したのは159年前になります。この東海地震が発生した時に69年のひずみのたまっている東南海・南海が連動する可能性があると言われています。西暦1700年までは3連動地震が発生していたからです。
東海地震帯は159年間のひずみがたまっているのでいつ起きても不思議では無いと言われています。
南海地震の発生確率は30年間で70~80%と言われています

また、プレート型とは別に関東大震災や阪神淡路大震災のように
活断層が動く直下型の地震もあります。大阪では上町から浅香山を通る上町断層帯が直下型の断層です。活動の間隔は約8000年とも言われています。
上町断層地震が30年以内に発生する確率は2~3%と言われています。


            2015年現在
②活断層はどうなっているのか 
  活断層は上記のプレートが沈み込むこと等により内陸部に歪ができて地盤にヒビが入っている状態です。
当然岩盤にヒビが入っているから、そこが割れル確率は高いと言えます。
断層とは、第四紀(約200万年前)から現在までの間に動いたとみなされ、将来も活動することが推定される断層のことをいう。
   地震は、震源で破壊が発生し、断層が成長しながら破壊領域が広がっていく。この破壊領域全体を震源域といい、この断層面を震源断層と呼ぶ。地震断層(地表地震断層)は、地震の際に地表に現れた断層のことをいう。震源断層が地表までに達していないが、その上の堆積層が曲がった撓曲(とうきょく)などの形態となる場合もある。
 陸域の浅い地震
・H7年兵庫県南部地震
・H16年新潟県中越地震
・H20年岩手・宮城内部地震
・H23年長野県・新潟県境
 プレート境界の地震
・南海地震
・東南海地震
・H15年十勝沖地震
・H23年東北地震

  ◎断層が地表に現れた状態  
 
    阪神淡路大震災で淡路島の野島断層に現れています
 ◎断層は地表に現れず盛り上がった状態 
   
 阪神淡路大震災で神戸から三ノ宮一帯で現れています
 

活断層はなぜ危険なのか? それは、
  1.活断層は、震源が浅くかつ規模の大きな地震を起こす。
  2.それは将来においても繰り返す。 活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、
    将来も活動する可能性のある断層のことです。だから危険なのです。

 なお、四国にも「活断層」があります。鳴門市から伊予市にいたる北四国側を貫くように走っている「中央構造線活断層系」は、わが国を代表する第一級の大活断層です。

上町断層地震帯
上町(うえまち)断層帯は、大阪平野を南北に貫く活断層帯です。
上町断層帯は、大阪府豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る断層帯です。全体として長さは約42kmで、ほぼ南北方向に延びており、断層帯の東側が西側に乗り上げる逆断層です。
<過去の活動>
 上町断層帯の平均的な上下方向のずれの速度は、約0.4/千年であったと推定されます。最新活動時期は、約2万8千年前以後、約9千年前以前であった可能性があり、平均活動間隔は8千年程度であった可能性がある。

<将来の活動>
 上町断層帯では、断層帯全体が一つの区間として活動した場合、マグニチュード7.5程度の地震が発生すると推定されます。また、その時、断層近傍の地表面では東側が西側に対して相対的に3m程度高まる段差や撓みが生ずる可能性があります。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループ
に属することになります。

活断層とは、一つの面を境に二つの岩体が相互的にずれている現象であり、この境界面を断層面、断層面が地表に現れた線を断層線という。
  断層の変位は、断層面の走行方向(横ずれ成分)と傾斜方向(縦ずれ成分)の2成分に分けられ、縦ずれ成分が大きければ縦ずれ断層注2、横ずれ成分が大きければ横ずれ断層注3と呼ばれる。
 活断層、活動的な撓曲・傾動などを総称して活構造という。

 
        上町断層の調査資料を確認する
   大阪でも大地震は必ず発生すると言えます。
     それは 明日発生するかもしれないし、50年後かもしれない。
      不安に思うだけでなく、真剣に対策を考えて取り組みましょう。